中東という「ブルーオーシャン」で挑戦する。1500年の歴史を持つ言語を武器に、外務省から商社へ。

コンサルタントが描く新たなビジネスの地平

人事採用における情報発信の一環として、社内で働く方へのインタビューを通じてクロスリーチというブランドをより深く知っていただくことを目的に、今回はドバイオフィスのコンサルティング事業部で中東地域を担当する社員にお話を伺いました。

1. 前職から現在のキャリアに至るまで

―これまでのご経歴と、クロスリーチに入社するまでの経緯を教えてください。

大学を卒業後、外務省で中東専門の業務に携わってきました
エジプトでのアラビア語研修、ヨルダンでの勤務など、まさに中東一筋のキャリアを歩んできました。

アラビア語を選んだ理由は、この言語の特殊性に魅力を感じたからなんです。アラビア語って、1500年以上にわたって同じ形で使われ続けているんですが、言語の世界では本当に珍しいことで、将来的に強力な武器になると確信していました。

運命的な出会い。高校の同窓会が結んだ縁
クロスリーチとの出会いは、本当に偶然でした。高校の同窓会で久しぶりに会った旧友が、永井社長を紹介してくれたんです。
オンラインで面談をした時、私が中東での仕事への熱意を語ると、永井社長もその思いに応えてくれて、即座にドバイへの移籍を打診してくださいました。

その時に感じたのは、「アラビア語を話せる日本人が希少である」という自身の専門性がしっかりと評価されたということです。
永井社長は、私の経験や知識がクロスリーチの事業にとって価値があると理解してくれました。何より、クロスリーチの事業内容が、自分の「中東でビジネスに携わりたい」という目標と完全に合致していたことが、入社の決め手となりました。


2. 現在の業務内容とやりがい

―現在担当されている業務と、そこに感じるやりがいを教えてください。

現在は、クロスリーチのコンサルティングの実行部隊の中心として活動しており、営業も担当しています。担当範囲はアラビア語圏の国々、特に湾岸諸国やエジプト、イラクなどでの調査です。
最近は、事業拡大を希望する企業からの相談が本当に増えています。

 【具体的なサービス内容】
  クロスリーチのコンサルティングサービスは下記のような内容です。
 ・市場調査・参入戦略策定
 ・各種プロモーション実施
 ・パートナー企業マッチング
  ・事業立ち上げ・運営サポート

例えばUAEに全く拠点がなく、中東進出を本格的に始めたい企業があったとします。まずは製品の目標レベルや海外輸出経験をしっかりとヒアリングすることから始めます。その後、UAEだけでなくサウジアラビアも視野に入れて、拠点の設置方法(フリーゾーンにするかどうか)、パートナーの選定、プロモーション活動の立案まで、一貫してサポートするんです。決定後も数ヶ月間のモニタリングサポートを提供することもあります。

この仕事の一番の面白さは、自ら企画を「料理」し、付加価値を生み出すことができる点ですね。例えば、エジプトの水産業や農産物に関する調査で現地に足を運んだ時、エジプトの美味しいマンゴーの潜在的価値を発見したことがありました。現地の状況を深く知ることで、新たなビジネスチャンスを見つけられる。これは本当にやりがいのある瞬間です。

困難な調査の先にある成果

もちろん、大変な仕事もあります。中東のビジネス情報って、表に出てこないものが多いんです。人脈や現地でのコネクションが重要になる世界なので、デスクワークだけでは限界があります。

でも、そういった困難を乗り越えた時の達成感は格別ですね。クライアントが求めている情報を、様々なルートを駆使して収集し、分析して、最終的に価値のある提案として形にできた時は、「やったぞ」という気持ちになります。


1日のスケジュール例

8:30 ♢ メール確認後、各紙報道確認(UAEベースのThe NationalやGulf Newsおよび

中東をカバーするBBC ArabicやAl Jazeeraに加えて、日経や共同通信、ロイター等)

9:00 ♢ その日のタスクを5分以内にすべて書き出して順序付け後、作業開始

(必要に応じて部下の進捗を確認)

11:00 ♢ ランチ 

12:00 ♢ 東京チームに振っていた作業の進捗確認

13:00 ♢ レポートに必要なマーケット調査

(店舗や市場を訪問して日本からの新商品の有無や価格などをチェック)

16:00 ♢ オフィスに戻り必要なレポート作業

17:30 ♢ 朝作ったタスク表を振り返りチェックを行い、業務終了

3. 中東市場の可能性とクロスリーチの強み

―中東マーケットでの日本企業の立ち位置について、どう感じていますか?

アメリカ市場が競争の激しい「レッドオーシャン」であるのに対し、中東市場はまだ参入の余地がある「ブルーオーシャン」だと思います。本当に面白い市場なんですよ。日本製品は中東で「壊れない」「おいしい」といった、非常にポジティブなイメージがあります。これは大きなアドバンテージです。

ただ、日本企業にも課題があります。現地では「日本企業とのビジネスは手間がかかる」と思われがちなんです。その理由は、意思決定に時間がかかり、現地での権限委譲が少ない点にあります。これは韓国企業との大きな違いで、ビジネスの機会損失につながってしまっています。

そんな中で、クロスリーチの最大の強みは、中東に拠点を持っていることです。ドバイにもシンガポールにも拠点があり、これにより現地でしか見つけられないビジネスチャンスを掴むことができます。

設立手続き支援や投資先探索を行う企業は多いんですが、上流の部分から顧客に寄り添って支援する企業は少ないんです。クロスリーチはその空白を埋めている存在だと自負しています。



4. 多国籍な環境で育まれる信頼関係

―「Mutual Trust and Respect」を、日々の仕事でどう体現するか

社内の雰囲気についてお話しすると、多国籍なメンバーが集まるグローバルな環境で、最初はコミュニケーションの壁を感じることもありました。でも、会社が大切にしている「Mutual Trust and Respect」というバリューが組織文化として根付いているため、その壁は乗り越えられました。

国籍やバックグラウンドに関係なく、お互いを信頼し、リスペクトしながら接する姿勢が社内に浸透しているんです。困った時には自然と声を掛け合える温かい雰囲気があります。海外拠点と直接会うことで、コミュニケーションが格段に円滑になると実感していますね。


5. 入社を検討している方へメッセージ

―カオスを楽しめる人へ——正解がないから、面白い

中東という市場は、まさに深海の宝探しのような面白さがあります。広大な海に眠る未開の市場という宝を目指し、その道のりでは予期せぬ困難(情報収集の難しさや文化の違い)に直面することもあります。

“違い”をむしろ楽しみ、雑多な情報から自分で仮説を組み立てていける。そんな人は、間違いなく活躍できます。

この仕事は、単にモノを動かすだけでなく、文化とビジネスを融合させ、未来の可能性を探る壮大な冒険だと思っています。一緒にこの冒険を楽しめる方と、ぜひお会いしたいですね。